世界中のワイン愛好家から絶大な支持を集める赤ワイン品種、カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)。
その存在はまさに「赤ワインの王」と呼ぶにふさわしいものです。
カベルネ・ソーヴィニヨンはフランス・ボルドー地方を原産とし、メルローやカベルネ・フランなどと共にブレンドされることで、クラシックなボルドースタイルのワインを生み出してきました。
しかしその適応力は非常に高く、カリフォルニア、チリ、オーストラリア、日本など、世界中の多様な気候で栽培されています。
その結果、地域ごとのテロワール(風土)の個性が色濃く反映されたワインが楽しめるのです。
カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴は、しっかりとしたタンニン(渋み)と濃厚な果実味。
カシスやブラックチェリー、スパイス、杉の香りなど、複雑で奥深い香りが広がります。
若いうちは骨格のある力強い印象を受けますが、熟成を重ねることで滑らかさと深みを増し、時間と共に円熟した味わいへと変化していきます。
カベルネ・ソーヴィニヨンは肉料理との相性が抜群です。
ステーキやラムチョップ、煮込み料理のような濃厚な味付けの料理に合わせると、ワインのコクと旨味がより一層引き立ちます。
また、チーズでは熟成タイプのハードチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノなど)がおすすめです。
近年では日本国内でもカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培が進んでおり、長野、山梨、北海道などで高品質なワインが造られています。
特に冷涼な気候の地域では、酸味がしっかりと残り、繊細で上品な味わいが楽しめるのが特徴です。
力強さとエレガンスを併せ持つカベルネ・ソーヴィニヨンは、初心者から上級者までを魅了し続ける存在です。
その奥深い味わいと熟成の妙を感じながら、世界各地の一本を飲み比べてみてはいかがでしょうか。