情熱と誇りが詰まった「イニエスタワイン」サッカー界の英雄が贈るスペインの至宝


イニエスタのもう一つの夢、「ワインづくり」への挑戦

アンドレス・イニエスタといえば、スペイン代表としてワールドカップ優勝に導いた英雄であり、FCバルセロナ黄金期を支えた名司令塔。その穏やかで誠実な人柄と、ピッチ上で見せる繊細かつ情熱的なプレーは、世界中のファンを魅了してきました。
そんなイニエスタがもう一つの情熱を注ぐのが、「ワインづくり」です。彼が育ったスペイン・カスティーリャ=ラ・マンチャ地方のフエンテアルビージャという小さな村には、彼の家族が代々守ってきたブドウ畑が広がっています。イニエスタはこの地に「ボデガ・イニエスタ(Bodega Iniesta)」を設立し、自身の名を冠したワインを世界に届けています。

 


故郷への愛から生まれた「ボデガ・イニエスタ」

ボデガ・イニエスタの誕生は2000年。まだイニエスタがバルセロナで活躍していた若き日のことでした。家族の夢と故郷への感謝を形にするため、ブドウ畑を拡張し、最新のワイナリー設備を導入。2010年、彼がワールドカップで決勝ゴールを決めた年に、正式に「Bodega Iniesta」としてワインの販売を開始しました。
ワイナリーは、イニエスタ家が所有する約300ヘクタールの土地に位置し、自然環境に配慮したサステナブルな農法を実践。彼のプレースタイル同様、「誠実さ」と「精密さ」を大切にしたワイン造りが特徴です。

 


イニエスタワインの主なラインナップ

イニエスタワインは、赤・白・ロゼ、スパークリングまで幅広く展開しています。特に注目すべきは、以下の代表的なシリーズです。

■ コラソン・ロコ(Corazón Loco)

スペイン語で「狂った心」を意味するこのシリーズは、イニエスタの情熱を象徴するブランド。日常的に楽しめる価格帯ながら、味わいは本格的。赤はテンプラニーリョ主体で、チェリーやプラムの香り、まろやかなタンニンが心地よいバランスを奏でます。白はマカベオやソーヴィニヨン・ブランを使用し、フレッシュで爽やかな口当たりが特徴です。

■ フィンカ・エル・カリール(Finca El Carril)

こちらはワイナリーの最上級シリーズ。イニエスタの家族が代々守ってきた畑「エル・カリール」のブドウを使用しています。バリック(小樽)で熟成された赤ワインは、濃厚でスパイシー、かつエレガントな仕上がり。熟成のポテンシャルも高く、特別な日の一本として人気です。

■ イニエスタ・ブランコ・デ・ニエベ(Blanco de Nieve)

 

「雪の白」を意味するこのワインは、アルバリーニョを使用した白ワイン。イニエスタの繊細な感性を映すように、透明感ある果実味とミネラル感が印象的です。寿司や白身魚など、日本料理との相性も抜群です。

 


ワインを通して伝える、人生哲学

イニエスタはインタビューで、「ワインは人と人をつなぐもの。ピッチの上でも、人生でも、最も大切なのはチームワークだ」と語っています。
彼のワインづくりには、まさにこの哲学が息づいています。ブドウを育てる農家、醸造家、販売チーム、そして飲み手——すべてが一つにつながることで、初めてワインは完成するという考え方です。
その精神は、彼が日本・ヴィッセル神戸でプレーしていた頃にも通じます。国や文化が違っても、心を込めて行動すれば、人は共鳴し合える。イニエスタワインは、そんなメッセージを静かに語りかけてくれる存在です。

 


サッカーとワイン、共通する「情熱」と「芸術性」

イニエスタのプレースタイルは「静かなる魔術師」と称されるほど。派手さよりも、緻密なバランスとチーム全体を輝かせる知性が魅力でした。その美学は、ワイン造りにも共通します。
ぶどう畑での一つひとつの手入れ、熟成のタイミング、ブレンドの比率。どれも繊細な感覚と経験が求められます。まるで中盤でゲームを操るように、彼はワインの世界でも「調和」を追い求めています。

 


世界が認めた品質、そして未来へ

ボデガ・イニエスタのワインは、国際的なコンクールでも高い評価を受けています。特に「フィンカ・エル・カリール・ティント」は、複数のワインアワードで金賞を獲得。品質の高さは折り紙付きです。
さらに、環境保全への取り組みも進んでおり、再生可能エネルギーの活用や廃棄物リサイクルなど、サステナブルなワインづくりを実践。イニエスタの次世代への想いが、ワインを通して形になっています。

 


まとめ:一杯のグラスに宿る、イニエスタの情熱

「イニエスタワイン」は、単なるセレブリティワインではありません。そこには、故郷への深い愛情、家族の絆、そして人生を豊かにする情熱が込められています。
サッカーで世界を魅了した彼が、今度はワインで私たちに感動を届ける。グラスを傾けながら、その穏やかで力強いストーリーに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。